星空と、色えんぴつ

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「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」に行ってきました。(その1)

下関市立美術館で開催されている、

エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」という

展覧会に行ってきました。

 

エドワード・ゴーリーという方は

絵本作家だそうですが、私は寡聞にして知りませんでした。

でも、広告にあったイラストの、ナニか不気味で、

独特なタッチが気になってしまい……。

久しぶりに美術館に行ってみようと思ったのです。

 

絵本作家という言葉から連想される、

ほのぼのとした温かな雰囲気とは、

対極のイメージを持つ作品を創られる方でした。

 

ペンとインクで、黒っぽいほど細密に描かれる世界は、

シュールで、不気味で、不安がわいてくるものです。

 

実際、エドワード・ゴーリー本人も

「私の使命は、人をできるだけ不安にさせること」と語っていたそうですから。

 

絵本に登場する子どもたち(大人も)は、

次々と災難に遭い、死んでしまうことも少なくありません。

主人公の少女が、最初から最後まで、ひたすら悲惨な目に遭い続ける作品もあります。

その絵本のカバー折り返しのところには「悪趣味すれすれ」と書いてあったけど、

実際、これは悪趣味じゃないだろうかとツッコみたくなってしまいました。

 

……でも、なぜか、その不安は居心地の悪いものではないのですね。

 

独特な世界観なのに、それと同時に。

昔、見たかもしれない怖い夢とか、

いつか心の奥に落ちたことがあるけど、言葉にならなかった影のような感覚を

すくいあげて、具象化して目の前に見せてもらっているような、

懐かしさと奇妙な安心感をともなう「不安」がそこにありました。

 

だから、熱狂的なファンが多いというのも頷けてしまいました。

こんな不思議な感覚、この作家さんの作品じゃないと味わえないと思います。

 

また、ご自身の絵本執筆だけでなく、

精力的にさまざまな仕事をされていたとのことで、

ミュージカル「キャッツ」の原作となった本につけた挿絵など

色々な作品の貴重な原画を観ることができました。

 

すごい世界に触れたなーという気持ちで

美術館をあとにすることができました。

開催は10月23日までなので、あと1週間ほどしかありませんけど、

一見の価値はある展覧会ではないかと、私は思います。

 

ところで、わりとしょうもない余談など、

まだ書きたいことがあるので、この記事は明日に続きまーす……。