読書の秋ですし、たまには有名な作品を読もうと思って
「吾輩は猫である」を手に取りました。
これが夏目漱石の小説家としてのデビュー作なのですね。
夏目漱石は「坊っちゃん」と「こころ」は読んだことがありますが
個人的に、「こころ」は面白くて二度読んだけど、
「坊っちゃん」はケンカしてる印象しか残ってない……(汗)
うーん、あまり文学を味わう感性がないのかもしれません。
ぼんやりしてる印象しか残ってないという)
……そんな自分なので、高尚な感想は書けません。
もちろん、知識や時代背景、当時の世相に対する考察に
「へぇ~、なるほど」と思った部分も、少なからずありましたけど、
後に記憶として残るのは、「笑っちゃったところ」であるあたり……。
「猫」の主人の周りに集う人たちの変人ぶりも可笑しいけど、
今風に言えば、「メタ」な表現が含まれているところとか。
もともとは短編として書かれた作品で、
大好評につき連載することになったらしいのですが
連載2回目冒頭に相当する部分で、
猫が「吾輩は新年来多少有名になった」と自慢しているあたりとか、
連載中に批評家から書かれたことを、次の月の連載で、
作中で持ち出し、まぜっかえしている(?)あたりとか……。
当時の文学をあまり読んでいないから、よく分からないけど
(猫を物語の語り手にするということも、そうですが)
この時代では斬新だったかもしれませんよね。
また、猫が主人の心情の仔細を語っていること、
古今東西の知識に通じていることなど
なんで1歳やそこらの猫がこんなに賢くて博学なんだ!
……と心ではツッコミを入れつつ、
まあ、そうでもしなきゃ描写できないよな。と
自分なりには納得しながら読み進めていたのですが、
連載のだいぶ後わりの方になって、猫が、
吾輩は読心術を心得ていると言い出して、唐突すぎて爆笑しちゃいましたよ!!
しかも、なぜそれを心得たかなんて、余計なことを聞いてはいけないそうです。
そうか、読心術持ってるんなら、何を知ってても不思議じゃないよな!
文学として読むべきところは、そこじゃないんでしょうけど
なんとも次元低い感想文ですみません。
あと、結末がけっこう衝撃的でした。
この猫、賢いのか、実はそうじゃないのか……
まあ、彼がチャレンジャーであることは確かです。
有名な文学とはいっても、読んでみないと分からないものですね。
また、なにか面白い本を見つけたいものです。