星空と、色えんぴつ

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「要約筆記」の思い出。(その1)

以前の記事で、ちょっとだけ触れた

「要約筆記」というボランティアの思い出を書こうと思います。

 

 

聴覚障がい者のためのボランティアと言うと、

「手話」が真っ先に浮かぶ、という方が多いかもしれません。

 

が、聴覚障がい者と一口に言っても。

生まれてから、日本語を習得する前に聴覚を失った方は、

ろうあ者として手話を第一言語とされることが多いですが、

大人になってから聴覚障がいを持った方(中途失聴者)は、

手話を習得することが難しい場合も少なくありません。

 

実際、聴覚障がい者全体で、手話を使える方は

15パーセントくらいだと聞いたことがあります。

 

手話だって生きた言葉ですから、

方言もあるし、時代によっても変わっていきます。

そういえば、ろうあ者の方の手話は、文法も違ったような覚えが……。

(言葉の並びは英語っぽかったような?)

 

逆に、テレビでの標準的な手話通訳が

読めないろうあ者の方もいらっしゃる、という話も。

 

やはり、なかなか難しいのですよね……。

 

 

一方、「要約筆記」は、話し言葉を短くまとめて、

文字を書いたり、パソコンで打ったりして、読んでもらうことで

聴覚障がい者の方の情報保障をおこなう、という活動です。

 

講演会などで、スクリーンで文字を映し出したり、

病院などに同行して、書くことで通訳したりと、

利用の場面もさまざま。

 

手話が分からなくても、日本語で伝えられるから

分かりやすい、というのが利点な筈なのですが……。

 

実際、とても難しい技術でした。

どう考えても、話し言葉のスピードに比べて

書ける文字は限られますからね……。

(ためしに、テレビでニュースとか聞きながら

内容を書き取ってみたら分かるはずです)

うまくかいつまんで要約しないと、

ずっと断片的な文章が続くばかりで、

全体の意味があまり通じないという

悲惨な結果になってしまいます。

 

この要約筆記を昔、なぜか10年ぐらい続けていました。

 

と、……思い出を書く以前に、

説明だけで長くなってしまったので、

あとは(その2)に続きます。