星空と、色えんぴつ

日々の小さな発見や、ちょっと面白いこと、楽しいこと。

恩田陸作品の演劇、「猫と針」を観てきました。

宇部市の「劇団若者座」第五十五回公演、

「猫と針」を観てきました。

恩田陸さん作というのに興味をひかれまして。

一時期、恩田陸さんの小説にはまってたんですよね。

 

それを言えば、若者座の公演にも

昔は毎年のように行っていたのに、

いつの間に行かなくなったのだろう。

 

劇を観に行くこと自体、久しぶりです。

若者座以外にも、ファンだった劇団が

県内に1つ2つあったのですが、

最近では活動されていないようで。

すっかり足が遠のいていました。

 

 

肝心の、劇のストーリーは、というと。

ひさびさに集まった高校時代の仲間たち。

舞台に固定された空間の中で、誰かが席を外すと、

その誰かについての噂話がはじまります。

 

そんな現実によくありそうな設定の中で、

この集まりがなんのためのものかが

じょじょに明かされていき、

彼らの過去に起こった未解決の事件の真相が、

少しずつ浮かび上がってきます。

 

さすがは恩田陸さんの心理サスペンス、

その場にいない「不在」の誰かの存在こそが

強く印象付けられるような、

そして、当たり前の日常の背後にある恐怖が、

じわじわと忍び寄ってくるような。

 

ホラーは苦手な私だけど、

こういう恐怖は、なんか嫌いじゃないぞ!

 

 

それにしても、失敗の許されない

生の舞台の緊張感は、やはり格別ですね。

生身の人間がそこで動いて演じているって、

それだけでも感動的なことだって思います。

 

本当は演じる方もやってみたいのですけどね……

劇団のパンフレットの「団員募集」の文字を見るたび、

ちょっと心が揺れるのですけど、

さすがに、そこまでスケジュール空けられないので……

 

せめて観る側だけでも、たまには行かなくちゃ。