星空と、色えんぴつ

日々の小さな発見や、ちょっと面白いこと、楽しいこと。

数字に色がつく、味にカタチがある……「共感覚」のふしぎ。(その2)

共感覚の中でも、「音に色がつく」という事例から、

真っ先に思い出したのは、

絶対音感」(最相葉月/著 小学館/刊)という本を読んだとき、

「ドレミ……」のそれぞれの音や、音階によって、

色が見える人がいる、というお話でした。

 

この本は、今も手元にあるので、

ちょっとだけ読み返してみますね。

 

絶対音感を持ち、色を感じる人たちに対して

調査がおこなわれたことがあったようです。

ドではじまる基本的な音階「ハ長調」を

白と感じる被験者が多い、など、

音によって異なる色彩感覚を持つ方たちがいることが

確かに書いてありました。

これは「共感覚と呼べる」という記述もあります。

 

ファではじまる「ヘ長調」には

緑を感じる人が多かったそうですが、

実際、ベートーベンの「田園」などもヘ長調の曲だとか。

……子どもの頃ピアノを習っていたくせに、あんまり音感のない自分は、

転調すれば音の高低が変わるだけに思っていたんですが……

何調の曲か、ということは、

単にキーの高さだけの問題ではないのですね。

ベートーベンにも、ヘ長調は緑色に見えていたのでしょうか?

 

 

もちろん、色が見えるなんて錯覚ではないかという

意見を言う人たちも存在します。

 

が、ここで「カエルの声はなぜ青いのか」の本に戻りますと。

音楽ではないですが、言葉で「色が見える」共感覚

持っている人の脳を調べてみたところ、

実験中、被験者は目隠しをされていたのにも関わらず、

「V4」と呼ばれる、色彩情報処理専門の視覚野の部位が

活性化していた、という実験結果が書いてありました。

要するに、科学的には「色が見えていた」と言っていいそうです。

 

共感覚を持っていない人が、

言葉と色の関係を丸暗記しても、

同じような結果は出せなかったとのことですから……。

 

多くの人にとっては想像できない感覚であっても、

勝手に「気のせい」「錯覚」だと

決めつけることは、できないのですよね……。

 

うーん、まだ書ききれないので、

共感覚」のお話、もう1回だけ続きます。