星空と、色えんぴつ

日々の小さな発見や、ちょっと面白いこと、楽しいこと。

840回繰り返す、「嫌がらせ」な音楽の話。

前の記事ではメトロノーム100台で

演奏する曲の話を書きましたが、

昨日の「題名のない音楽会」も

変わったクラシック曲の話で面白かったです。

 

古坂大魔王さんのプレゼンで、

ひねりすぎた音楽の特集をされていたのですが

その中に、サティの「ヴェクサシオン」という曲が出てきて、

この曲知ってる……と思い出しました。

 

ヴェクサシオンというタイトル、

日本語で言えば「嫌がらせ」などの意味だそうで、

不協和音に満ちた旋律をただただひたすら

延々と840回も繰り返すという、

まさに嫌がらせとしか言いようがない曲です。

 

なぜ私が知っていたかというと、

昔、音楽を習っていた先生に

曲の存在を教えてもらっていたからです。

 

なんでも、先生の娘さんが

ヴェクサシオンを複数人で交代しながら弾くという

ピアノマラソンというイベントに参加されたそうで。

 

当時、先生から楽譜も見せてもらいましたが、

1回のフレーズ自体は短いものの、

♯や♭のような臨時記号が多くついていて

「弾きにくそう」と思った覚えがあります。

 

840回ではマラソンとしか言いようがないですよね。

私だったら、たとえ交代で一部を弾くだけでも、

ピアノを習っていた全盛期であっても

途中で集中力が切れて、弾き間違えたことは

間違いないでしょう^^;

 

しかし、「題名のない音楽会」では

840回を1人で弾ききったピアニストさんの映像も

紹介されていましたけど……。

途中で軽食を摂ったり、スクワットしたりしながら

最後まで弾き続けて、「正直、飽きた」そうです。

 

飽きるのは人として当然だと思います( ̄∀ ̄)

 

しかし楽譜に指定されている以上、

回数を勝手に減らしてしまったら

弾ききる価値が半減してしまいますよね。

 

サティ……ものすごい作曲家です。

後世のピアニストたちに向けて

そんなにも最強の嫌がらせを残していくなんてっ!