……えっと、これは去年の11月のこと。
以前話題になっていたアニメーション映画、
「この世界の片隅に」の上映が、
シンフォニア岩国でおこなわれるというので、
この機会に、と思って行ってきました。
遠いなとは思ったのですが、
私、ちょっと迷いかけましたけど……。
電車の到着時間から映画の開始時間までに
余裕があって助かりました^^;)
それでも、観に行ってよかったです。
物語の舞台が広島なので、方言も山口に近く、
馴染みのあるものに感じられます。
それに、ぼんやりしていて、
絵を描くことが上手なヒロインのすずさんは、
私にとって親しみを感じられる女性でした。
やわらかで、優しげな世界観。
……穏やかな日常との対比があるからこそ、
戦争の残酷さが胸を衝いてきます。
大音量で落ちて来る焼夷弾の音に、
耳を塞ぎたいような思いにかられながら、
ああ、この映画はテレビではなくて
やはり映画館で観るべきだと確信しました。
もちろん疑似体験と実体験はまったくの別物です。
実際の空襲の恐ろしさは、経験した方でなければ決して分からないでしょう。
でも、そうであっても。ううん、だからこそ。
せめてほんの片鱗でも想像すべきだと思いました。
当時、普通に暮らしていた人たちが、どんなに大変で、
どれほどの苦しみを味わったのか。
すずさんは、終戦の日に、
あんな台詞を叫ばなければならない女性ではなかった筈です――
この映画が、多くの方々の支えがあって上映された作品だということに、
希望を見出せるような気がしました。
これからも末永く、この世界で、
多くの方々に受け継がれていってほしい物語だと思います。