星空と、色えんぴつ

日々の小さな発見や、ちょっと面白いこと、楽しいこと。

井上靖「しろばんば」を読みました。

ずっと積み本になってしまっていた

井上靖しろばんば」を

ようやく読み終えました。

 

子どもの頃は読書好きだったのに

年々、本を読む時間をとれなくなっています。

本当に小説を書き続ける気があるなら、

良くないことですが(_ _;)

 

昔の文学となると

とっつきにくい印象もあります。

しかし読みはじめてみると、

しろばんば」面白い話でした。

 

主人公の洪作は幼い少年ですが、

ふとしたことから、両親よりも

かつて曾祖父の妾だったという

おぬい婆さんという老婆に懐いて、

二人で一緒に暮らしています。

 

おぬい婆さんは、洪作の親戚たちとは、

もちろん激しい確執があるわけで。

そのドロドロな設定に

つい引き込まれてしまいました( ̄▽ ̄)

 

お話の大きな流れは、

おぬい婆さんの溺愛によって

過保護すぎるような育て方をされている洪作が、

多くの人との出会いや体験、

淡い恋心などを通じて

少しずつ成長していく物語でしたが。

 

村の豊かな自然を背景にして、

子どもの目線で物語が描かれているのが

素晴らしいです。

 

洪作の心理描写を読んでいて、

ふと思い出しました。

そういえば、子どもの頃はどうして

色々なことがあんなに

恥ずかしかったのでしょう。

 

 

私、児童小説を書こうとしたこともありましたけど

つい「子どもはこういうもの」みたいな

先入観が入ってしまって

子ども目線になりきれていなかったなと

この本を読んで、あらためて反省してしまいました。

 

純粋に読書が好きだった子どもの頃の気持ちを

思い出せたらいいのですが……。

子ども目線で面白い物語を書くというのも

大変難しいことですね。          

 

 

ところでタイトルの「しろばんば」。

文中では説明がなかったと思うのですが、

この言葉の意味、偶然知りました。

それについては次の記事で書こうと思います。