星空と、色えんぴつ

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筒井康隆「創作の極意と掟」を読みました。

前回、筒井康隆さんの小説を読んだ話を書きましたが、

その筒井さんが小説作法について著したのが

「創作の極意と掟」という本です。

 

序言の一行目には

「作家としての遺言」と書かれていました。

 

もちろん小説の書き方にまつわる本ですが、

基本的な小説創作のハウツーが書かれているわけではありません。

まぁ、そんな本なら、筒井さんが書いてくれるわけはないな。

 

……感想を一言で言うと、

さすが巨匠だと頭を垂れるしかないような、そんな気がしました。

 

どこでそう感じたかと言えば、

「直接本を読んで下さい」としか言えませんけど。

まさに「極意」ですし、ここで例を挙げることは憚られます。

 

ただ、読みはじめから、目からウロコがボロボロ落ちましたし、

自分が小説創作者として、

まだまだ、ほんの入り口に立っているにすぎないのだと

思い知らされたことは確かです。

 

 

小説の書き出しのことを「濫觴(らんしょう)」と言うことすら

自分は知らなかったしな……。

(今、辞書を引いてみると、濫觴の本来の意味は、

物事の始まりという意味であるようですが)

 

 

また、小説という表現方法を選んだことの喜びも

この本にはぎゅっと込められているようで。

 

……どんなに端くれで、末端であろうとも、

私も小説を書く者として。

己の未熟さをかみしめつつも、書く喜びを忘れないで、

自分なりに、もっと書きたいものを深く追求して良いのだと、

そう背中を押してもらったような気が(勝手に)しています。

 

 

現実は、今もなかなか仕事は難航中なのですけど。

でも、書きたいこと、まだ諦めないぞっ。

 

 

ところで、筒井康隆さんは、

ライトノベルを1冊だけ書かれているようですが、

それは「涼宮ハルヒ」シリーズから影響を受けてのことだったのだと

この本を読んではじめて知りました。

 

筒井さんって、なんでも書かれてますよね……。

そういえば童話の本も昔読みました。グロかったけど。

 

……うん。グロいグロいと言いながら、

実はけっこう筒井さんのSF読んでいます、私。

やっぱり、これまで読んだことのない小説を読みたいからこそ。

面白さには勝てないのでしょうね。