星空と、色えんぴつ

日々の小さな発見や、ちょっと面白いこと、楽しいこと。

マンボウの味はどんな味?……「どくとるマンボウ航海記」

久しぶりに読書の話です。

 

コロナ禍で、海外旅行できないご時世ですが、

(まぁ私は海外旅行することは多分一生ないので

コロナ禍はまったく関係ありませんが……笑)

そんな中で、北杜夫さんの

「どくとるマンボウ航海記」(新潮文庫)を読みました。

 

 

本を開くと、お話の冒頭は

マダガスカル島のアタオコロイノナという

神様みたいなもの(?)の説明からはじまっています。

 

アタオコロイノナとは、

「何だか変てこりんなもの」という

意味があるそうですが……

そ、それは、本当に神様なのデスカ?( ̄∀ ̄;)

 

その何だかよく分からない

アタオコロイノナのお導き(?)で

北杜夫さんは、船医として船に乗ることになった

……という風にしか私は読み取れなかったですが。

えっと……。

 

こうして普通に説明すると論理が飛躍しているようだけど、

普通の本ではないので、どうしようもありません。

この本、最初から最後までこんなノリです。

どこまで本当のことで、

どこまでユーモアを盛っているのか分かりません。

 

読んでいる途中で、これは本当に航海記なのか?

実は小説じゃないの?と本気で悩んだくらいです。

(まあ、でも巻末の解説に

「小説ではない」と明記されていましたけど)

 

古くて有名なタイトルだから

もっと固い内容を想像していたのに、

実際に読んでみたら、面白くてビックリしました。

読んでいるこちらまでアタオコロイノナ様に

化かされてしまっているのかもしれませんが。

 

そんなノリで、北杜夫さんこと、

「どくとるマンボウ」を乗せた船「照洋丸」は

シンガポールスエズリスボン……などなど

世界各地を巡っていきます。

 

乗り物にとことん弱い私としては、

船酔いされない体質っていうのが

何より羨ましい……。

 

だけど、時間のできた時に少しずつ読み進めたせいか、

こちらも時間をかけて船旅をしているような

旅行気分を味わわせていただきました。

 

子どもの頃は船に乗らなくてはならない機会があったので

少し懐かしさも感じました。

だからって、もう一生乗りたくないですけどね(°∀°)

 

 

そして、本の中で

「アタオコロイノナの息のかかった代物としか思えない」

奇態な魚として紹介されているのがマンボウです。

 

その味は、

イカカニとエビをつきまぜたような味」

……なのだとか。

今までマンボウを食べ物という目で

見たことはありませんでしたが、

かなり美味しいのかもしれませんね。

 

で、なぜ北杜夫さんがそのマンボウの名を

自称していらっしゃるのかも気になっていましたが。

あとがきで、ご自身がタイトルについて

「何のことやらよく判らぬ」と書かれていたので

えーと……分かりませんでした。

 

最後まで謎は深まるばかりでしたが、

ほかの本もぜひ読んでみたいと思っています。